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【キラーコイルの秘密】 【世界の技術を支配する ベル研究所の興亡 単行本 pp.492– 2013/6/28 】
こちらは明確に
ローテク、
リノベーションと
自覚している。
組み合わせる素材は
既にあるものなので。
あとは、
自在に組み合わせが
あるだけだが、
鉱石の面白さは、
複合させると潜在的なものが
顕現してくる点で、
それは誰も予測できない。
半導体がらみのデバイスと
いっても、それは、
ダイオードと
コンデンサくらいのもので、
ローテクのレベルである。
すでにそこにあるものを
いかに抽出してくるか。
ただ、問題になるのは、
抽出するための判断基準は
せいぜい民間伝承くらいに
とどまっているのが
業界演出者と使用者だということ。
ここが盲点になっている。
また、人の生理作用は、
個別条件に制約されるところ大であり、
そのため、一律に、大量に、
薬剤投与、一斉治療
というワケにはいかない。
難病奇病は、
信心療法、宗教癒が
活躍することになっている。
だが、それは極少数限定である。
世界を支配する技術は、
大量、一律だが、
そこから漏れたものは、
例外的で、局所的で、少数例外的
である。
個別事例の問題解決とは
対極的な技術開発の歴史が下記。
チンケで例外的な事例として
『真空の謎』を紹介する予定だったが、
最初から小さくまとまるのはどうかと思い、
代表的なベル研究所の歴史を取り上げた。
——————————-
ビル・ゲイツいわく「タイムマシンに乗ることがあったら、最初に降りるのは1947年12月のベル研究所だ」。ピーター・ドラッカーいわく「現代のエレクトロニクス産業の大半を生み出したのは、ベル研究所の発明や発見である」。
巨大独占資本AT&T社の庇護のもと、ノーベル賞級の頭脳を全米から招集。パソコンやタブレットを動かすトランジスタ、携帯電話の原型、GPSを可能にした通信衛星の開発、そして今日のすべての情報処理や伝達のもととなるデジタル情報理論を発明。
人類の知を一変させるイノベーションの秘密が明らかに。HONZの成毛眞が解説。
慶古堂
5つ星のうち4.0 ベル研究所の興亡がこれ1冊で理解出来る
2014年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一世を風靡したベル研究所の興亡が本書を読めば理解出来る.R&Dの大切さ,国家支援の大切さも理解出来るであろう.日本においては福島第1原発事故後に「脱原発路線」の風潮が強まったが,現在の先端技術の推進と維持にはR&Dの継続,国家の支援が欠かせないことが,本書を通じて理解出来るであろう.
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ざんくさん
5つ星のうち5.0 これだけのイノベーションはもう起きない?
2015年2月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ベル研究所はなぜこれだけの成果を出すことができたのか。
(1)非常に明確なミッションがあった。急激に増大する通信の処理という喫緊の課題が目の前にぶら下がっていたので、それを一つ一つ解決していくうちに学術的な基礎から実用化までの膨大な業績の蓄積となった。
(2)研究者間の共鳴。異分野の研究者間の協力が無ければ成し得ない成果ばかり。必要な研究者がすぐ近くにいたのが大きい。また、隣でなされた発明発見にinspireされて次々と発明発見の連鎖反応が起きたともいえるかもしれない。それによって個人の能力をはるかに超えた発明発見を成し遂げてしまうことになる。
最終章で著者は、この種のイノベーションはもはや起きないだろうとのことを暗示している。Googleやiphoneに見られる「知の集積」が新たなタイプのイノベーションの例だとも言っている。本当にそうなのか納得しかねるが、80年~90年代にかけての日本のバブル期にベル研を模した基礎研究所が電機メーカーなどで雨後の筍のごとくできたが、四半世紀後のいま結局潰れたのをみると、確かにそうかもしれないと思う。でも、バイオなど全く違う分野では「ベル研」タイプのイノベーションがこれから起こるかもしれない。iPS細胞を核にして、など。
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久岡弘光
5つ星のうち5.0 太平洋戦争の戦中、戦後のベル研究所の行動。参りました。日本が戦に敗れたのも納得です。集中と分散の妙。考えさせられました。
2013年9月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
わが国の技術も誇れる物が沢山あ事も事実です。しかし、目標設定の単純化(AT&Tの遠隔交信の夢)(具体化のための半導体への願望)ベル研究所の活動。その時から、少し遅れて、1965年~1980年に民間企業で製品開発に携わった技術者の一人として、懐かしく愉しかったその頃を思い出させて頂きました。知識より身を以て肌で感じた知恵こそ発展の原点です。
製品開発の若い皆さんにぜひ読んで頂きたい本です。まだまだわが国頑張れます。
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くろしお太郎
5つ星のうち5.0 現代のCITの技術のげんせんはBell Labの業績に尽きること
2013年10月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み進むにつれて、1940年代からの通信、デジタル、情報関連のR&D、技術開発マネージメント、人材の発掘など目から鱗の話題満載。
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lm700j
5つ星のうち5.0 世界を変えた研究所は、やがて「ありふれた未来」にすりつぶされる
2017年11月16日に日本でレビュー済み
電話網が巨大システムになり、ベルは独占企業になる
そこで巨大システムのために最適なものを自分で開発し
さらに系列の会社で生産するというシステムを作った
開発するとなると、現状での技術水準ではおいつかず
新しい概念のシステムや素材を開発してそれを生産して運用する
そうなると、新しい概念を考える科学者も必要になり
その素材や生産するための科学者も必要になっていくし
運用のための訓練やマニュアルも必要になる
そのようにしてどんどん現業から離れて分業を進めていった結果
研究所は巨大組織になっていくし、彼らを使いこなす経営者も出てくる
そして異なる分野の専門家がふれあうことで新しいステップに進む
それがベル研究の最盛期の到来をもたらすことになる
しかし、技術を惜しみなくライセンスして社会に普及していったし
AT&Tは独占禁止法で分割を強いられるようになる
自分たちが生み出したイノベーションで社会が発展して
ライバルが山ほど出てきて埋もれて行ってしまうのである
技術があればその上にサービスでイノベーションを起こせるので
企業研究所がそういうのをやらなくなるんだよねえ
ありふれた未来を作り出してそしてそのありふれた未来によって滅んでいったのは皮肉であろう
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Utah
5つ星のうち3.0 日進月歩だった頃の”歴史”
2019年3月23日に日本でレビュー済み
AT&Tの研究所で、ショックレーの部下2名が点接触トランジスタを発明したことは初めて知りました。お金に追いまくられず、自由に話しながらという環境が良いのは、確かに。
「古き良き時代」という書きぶりなのですが、量子力学が生み出され、物理学が日進月歩だった当時に有効だった「貴族型研究」が、今の時代にも有効なような本書の書きぶりは、ミスリーディングだと思います。日本でも当時は理化学研究所が似たような状況にありましたが、今は通用してません。むしろ日亜化学のような地方から青色LEDが出て来るような、国家管理ではない、もっと分散したゆっくりとしたペースに落ち着いてきているように思います。今は、国際標準等のオープンなイノヴェーションで社会を変えていくのが正道でしょう。
日進月歩だった頃の”歴史”を勉強するつもりで読めば、いい本かと思います。
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河童の川流れ
5つ星のうち5.0 本物のイノベーションを知ることが出来る書です。
2014年1月4日に日本でレビュー済み
著者であるジョン・ガードナーは、この3人の業績を、本書のテーマとして書き進むことによりベル研究所を時系列を前後しながら膨大な資料と格闘し本書を刊行したことが読み進むうちに理解できる。
忘れてならないのが、第一章でいきなり登場する「マービン・ケリー」である。
マービン・ケリーは、真空管の研究者として業績を残してきた人物であるが、1930年代半ばからケリーが責任ある立場に立ってからの活躍が本書では多く語られていた。
ケリーの慧眼と頭脳を触発する才能がなければ、トランジスタの発明もなかったかも知れないし、この3人のノーベル賞受賞者の存在もなかったかも知れない。
もう一人忘れてならない人物に著者はページの多くを割いていた。
情報理論の基礎を築いた「クロード・シャノン」である。
シャノンがMITにいたころの継電器の研究をしていて非常に興味を魅かれ、複数の継電器を二つの理論方向に枝分かれさせ、その状態(開いているか、閉じているか)によって「AND」もしくは「OR」を示す場合もあった。これによって複雑な問題の答を出したり、複雑な一組のコマンドを実行することができた。
ここでシャノンは非常に重要な発見をする。こうした回路の設計と機能について、まったく新しい考え方を生み出したのだ。プール代数と呼ばれる、「0」と「1」を基礎とする一般人にあまりなじみのない数学を応用することで、回路を説明できる、というのがそれだ。(P138)
どんなに複雑な回路でも、理論に基づき扱えるということはコンピュータの実現に向けたとても大きなステップの一つだったのだから、シャノンがこのアイデアを発見したのが1937年だったのだから驚いてしまった。
シャノンの研究領域はノーベル賞の授賞対象外であったからノーベル賞を受けることが出来なかったが、1985年に日本の国際賞「京都賞」の第一回受賞者になったことを本書で知ることができた。(その時の受賞スピーチがよく知られている)
このベル研究所でレーダーなどが発明開発されたことから太平洋戦争での日本敗北が早まったのだろうが、ベル研究所というモンスターの存在を少しでも認識理解していたなら、評者など恐怖を覚え、米国へ宣戦布告などしなかっただろうと思いながら本書を興味深く時間をかけて読了しました。
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Tanishi
5つ星のうち5.0 ベル研究所は電話会社の支援研究を行う最大級の産業研究所
2013年9月15日に日本でレビュー済み
本書は本文(436頁)に加えて、註,参考文献,訳者あとがき,成毛眞氏の解説からなり492頁の大著であるが,日本語訳はこなれていて読みやすい.プロローグから引用すると,「本書は、ベル電話研究所を舞台にした数人の男たちの活躍を通じて、近代コミュニケーションに起源に迫ろうとしている」とのこと.
1920年初頭,米国の独占電話会社AT&Tは巨大化しその技術部門は3600人もの大所帯であった.そのため,「電話産業において科学的研究がより大きな役割を果たす」という認識の元でベル電話研究所が別会社として発足する.絶頂期の1960年代には1万5千人の従業員がいた.
本書では,マービン・ケリー,ジム・フィスク,ウイリアム・ショックレイ,クロード・シャノン,ジョン・ピアース,ウイリアム・ベーカーを中心とした多くの従業員と大学関係者(Cal Tech,MITなど),政府関係者(軍を含む),産業界との絡みが詳細に語られる.
ベル研究所は電話会社の支援研究を行う最大級の産業研究所で,幅広い研究を行っていた.例えば,真空管研究,レーザー,光ファイバー,トランジスタ,太陽電池,海底ケーブル,マイクロ波通信,セルラー通信,通信衛星,携帯電話,情報理論(順不同)などを生んだ.その中にはノーベル賞を受けたものも含まれている.しかし、1984年にAT&Tが分割されると、多くの画期的な発明を生み出してきたベル電話研究所も終焉を迎える.
本書で扱われるエピソードは数多く、複雑に絡み合っており,1,2回の通読では全体を把握できるものではない.その意味で,索引があればもっと深読みできたと思う.更に欲を言えば、もっと、写真類があれば良かったと思う.
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