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【刑法学上の神学問答 前田雅英 最終講義『法の奥底にあるもの』】
行為無価値か結果無価値か。
迷ったとき弁護士先生にお尋ねして
前田刑法から入門。
実務的には大塚の行為無価値が主流なのだが、
あえて前田刑法を選択。
もっとも、さくっと全体をみただけで
細部については部外者なのでこだわらない。
部外者としては
きわどい領域があることを
知っていれば十分である。
刑法については
最終的には情状酌量の余地があり
反省している姿勢をみせるのが
得策ということ。
そもそも、
刑事罰でなくても
行政刑法、国税法違反などにより
逮捕される事案は他にもあるので
精神的ダメージを受けないように
用心するに越したことはない。
—————————–
前田刑法の精髄
刑事法学の第一線研究者でありつづけながら、
40年間、講義を一度も休まなかった教育者・前田雅英の最終講義。
著者プロフィール
前田雅英 (まえだ まさひで)
1949年 東京に生まれる
1972年 東京大学法学部卒業
1975年 東京都立大学法学部助教授
1988年 東京都立大学法学部教授
2005年 首都大学東京法科大学院教授
現 在 日本大学大学院法務研究科教授
[主要著書]
『可罰的違法性論の研究』東京大学出版会、1982年
『刑法演習講座』日本評論社、1991年
『現代社会と実質的犯罪論』東京大学出版会、1992年
『刑法の基礎 総論』有斐閣、1993年
『刑法から日本をみる』(共著)東京大学出版会、1997年
『少年犯罪――統計からみたその実像』東京大学出版会、2000年
『裁判員のための刑事法入門』東京大学出版会、2009年
『ハンドブック刑事法――罪と罰の現在』東京法令出版、2014年
『刑事訴訟法講義[第5版]』(共著)東京大学出版会、2014年(初版2004年)
『刑法総論講義[第6版]』東京大学出版会、2015年(初版1988年)
『刑法各論講義[第6版]』東京大学出版会、2015年(初版1989年)
目次
Ⅰ
四〇年間の講義/
大陸移動説と「アメリカ大陸の発見」/
万事塞翁馬/
「銀行員半沢直樹」の世界/
犯罪の増減は振り子のように/
一九七五年という転換点/
戦後社会の「波」と法理論の変化/
最高裁の大きなうねり/
財産犯の本質論の揺れ動き/
未遂と共犯と大陸移動説/
学問と縁――目黒区八雲(一九四九年)/
刑法研究会と東京大学出版会/
『刑法講義』と『刑事訴訟法講義』/
判例研究の意味/
「真理」は動くものである――儚いもの?/
行為無価値論を採用しなければ社会は静止する?/
行為無価値論と結果無価値論の対立の意味/
新過失論と戦後の高度経済成長/
公害現象と価値観の反転
Ⅱ
法理論から結論は導けない――法解釈とは価値判断である/
死刑廃止論と表現の自由/
法解釈は価値判断を隠す手品である/
「どちらが正しいのか」と言ったとき、「問」まで雲散する/
「場」が変われば答えも変わる――刑罰論の変化/
解釈は考量である/
異次元のものの比較/
疑わしきは被告人の利益に――刑事法の衡量の特殊性?/
「立場」が変われば結論も変わる?/
「法」は相対的である/
西欧近代からの「守・破・離」/
リスト=シュミット二五版/
国民の規範意識とポピュリズム/
「価値」は不条理なもの/
日本は「判例法国」である/
実質的犯罪論/
団藤刑法学と三島由紀夫の自殺/
形式的犯罪論の極――中山刑法/
実質的犯罪論と『可罰的違法性論の研究』/
実質的構成要件論――構成要件該当性判断は、価値評価を伴う/
実質的違法論/
実質的責任論/
日本的共犯論/
量刑と理論――理論と結論の関係の典型/
判例への信頼と実質的犯罪論
あとがき
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