1※いまお悩みがあれば、こちら、からどうぞ。
【無料相談×診断】
2※KillerCoil無料メルマガ登録はいますぐこちらへ。
【キラーコイルの秘密】
【心理療法という謎 山竹伸二 2016 自分病への処方箋?】
心が治るとはどういうことか
総じて、心理学に関心をもつ人は、
自分のおかしさについての自覚がある、
とされる。
一番面白いのは
養老孟司先生で
心なんてつかみようのないものは
切りがないので、
自分的には考えないようにしている、と。
心という魑魅魍魎世界については
みずからは踏み込まない、と。
何かあれば、虫を取りに行く、とか。
また、ストレスを感じればゲームをする、とか。
(※これぞ「関心転移」という
フロイト的典型事例ともいえる。)
心とか、感情に振り回されないための
用心が養老先生の場合、出来上がっている。
とはいえ、
そういう境地に到達するまで、
この先生、対人恐怖症に陥っていた。
まともに、患者さんの眼をみることができない。
それゆえ、自分は屍を相手にする
解剖学を専攻することになった、と。
とはいえ、
教えるときは
相手は学生なので、
生きた人間が相手になるけど。
こういう奇妙な人には
奇妙な理屈があるので、
変人の自覚がある人は
奇妙な人の弁明論的理屈を
たどると納得するところがある
かもしれない、ぞなもし。
さて、臨床心理士などを目指す人が
最初に遭遇するのが、諸説がありすぎる
という現状を前に、学説整理、諸説整理が
最大の悩みになるらしい。
一体、何が使えるのか、と。
あるいは、どの説を信用信頼すればいいのか、と。
まずは、頭でっかちになり、観念整理する
という試練が最初にある。
まあ、どの業界でも
先行学説、先行諸説があり、
偉そうにする大言壮語の法螺吹きが
いるものである。
こいつらをいかに批判して封じ込めるか。
そういう問題が常にある。
それゆえ、
経験が少ない者は
そういう観念上の諸説整理が
うまくできなくて、
経験を積む前に
諦めることがでてくる。
さて、今回興味をもったのは
「心理療法という謎」という
タイトルである。
往昔、臨床心理士が
あまりにも多い心理学の整理に
かなり手こずったという話を
述懐していたので。
さらに、その先に、
心が直るというのは
どういうことなのか。
フロイトなどによると
直るということはない。
ただ、患者の関心を他の問題に
転移させるのだ、と。
こだわっている問題の矛先を逸らすのだ、と。
『精神分析入門』の後半では
そういう関心転移ということを
フロイトは問題提起している。
フロイトは文系人間向け
ユングは理系人間向け
と割り振ることができる。
文学的素養のある人はフロイト了解できるけど
ユングはドグマ振り回しなので、文系人間には
なかなか了解されない。
ところで、
この本がどういう性格のものであるのか、
それについはやはりレビューを通して推理すると
「傑作」というのがびたりの感じである。
つまり、社会に出る前に
原因が作られているとみて、
そこを整理することを重要視しているので、
抱えている悩みについて
あらかたパターン化できるとみている。
こちら的には、
たいがい
親子関係のもつれが
その人の性格を形づくると
みている。
内容説明
人の心が病むのはなぜか。それはどのようにしたら治るのか―精神分析、認知行動療法、来談者中心療法、ナラティヴ・セラピー…「心の病」の理論や治療法は数多いが、苦しんでいる人にとってどれが最良なのかわかりにくい。心はいかに治されてきたか、その歴史的経緯をたどりつつ、「人間のあり方」の本質を探究し、心理療法の共通原理を考える。
目次
1 心はいかにして治されてきたか?―心理療法の理論と歴史(心理療法の歴史;深層心理学的な心理療法―精神分析の系譜;実証科学的な心理療法―認知行動療法の系譜;実存主義的な心理療法―パーソンセンタード・アプローチの系譜;構成主義的な心理療法―家族療法からナラティヴ・セラピーへ;どの心理療法が優れているのか?)
2 心が病むのはなぜか?―人間の存在本質と心の病(心の病はなぜ生じるのか?;心の病の本質論―フロイトから現象学へ;“心が病む”とはどういうことか?;“自由の主体”の発達;不安からの脱出と自由への道)
3 心の治療とは何か?―心理療法の本質と原理(多様な心理療法に共通する要因とは?;心理療法にとって無意識とは?;各種セラピーの再検討;心理療法の本質とは何か?;現代社会と心理療法)
上位レビュー、対象国: 日本
Glockenspiel
5つ星のうち5.0 傑作である! 魅惑的なまでの体系的説明
2019年11月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
すでに優れたレビューがあるので重ならない内容を書く。
「心理療法」をテーマにしているが、傾聴(技法)、臨床心理学の「人間観」をベースに持って、広く悩み事の相談を担当している人なら読んで損はない。そういう相談員で「なぜか解らないけれど、医師や福祉職、心理カウンセラーよりも”素人”の私の(1・2回の)相談がクライアントの役に立った…みたい?」という風な不思議な体験を繰り返している人は必読である。きっと謎が解き明かされるだろう。
読書するときラインマーカー、4色ボールペン、ポストイットなどを使用するのだが本書は途中で諦めた。なぜならほぼ全文が私にとって重要だったかだらだ。カウンセリング周辺の勉強を始めて約10年、過去の乱読で重要だと感じたポイントが本書に見事に整理整頓され体系化されてた。興奮と陶酔を感じつつ一気に読了した。
300頁弱で中身はギッシリ(稠密)、まさに数学の位相空間論でいう”コンパクト”
キャリアコンサルタントも2級技能士に合格したら必読である。こういう教養と哲学が無いとアメリカのキャリアカウンセラーとの格差は埋まらない。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
レポート
oda_susi
5つ星のうち5.0 3回読み直して、読書メモを3回整理し直して、ようやく飲み込めました。
2021年8月13日に日本でレビュー済み
本書は、言葉遣いは平易ですが、それを飲み込む為に苦労しました。
3回読み直して、読書メモを3回整理して、それを図解メモにして、ようやく飲み込めました。
自身の琴線に触れた部分を、意訳込で紹介します。
・感情・欲望・理性の主体形成を失敗して社会に出ると、集団承認を得る事だけが自己価値になり、集団へ過剰に尽くす。
・しかし、どれだけ頑張っても集団承認を達成できないと自覚した瞬間に壊れる(学習すると、壊れる前に逃げる)。
・根本解決する為には、治療者が「赤ん坊に対する母親」のような立場に立って、患者に対して適切な「承認」を与えながら、本来は幼少期に正しく形成されるべきだった「感情の主体」を再構築し、「欲望の主体」を形作る所から始めるしかない。
・「欲望の主体」の先には「理性の主体」がある。「感情の主体」と「欲望の主体」のような他者承認を必要とせず、「一般的他者視点」を身につけ、自らが高次元に昇華された自己ルールに基づく「主体」であることを自覚・納得し、自身で判断して行動できる人間のこと。
・「理性の主体」にまで辿り着く人間は殆どいないので、殆どの人間は、人間関係に恵まれて適度な承認維持が必要。
名著なので、飲み込めるまで、繰り返し読むことをおすすめします。
もっと少なく読む
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
レポート
オフロスキ
5つ星のうち3.0 心理療法の本質を探る挑戦的な本。
2023年1月12日に日本でレビュー済み
心理療法の本質を探る挑戦的な本。
世の心理療法を4つに分けて外観しているところはとてもわかりやすかった。
そこから現象学をもとに「間主観」の合意を目指して、本質、共通、基盤的なものをモデル化しているが、どうしても乱暴におもえ、やや納得感がなかった。
なお、私は、心理療法の共通的な要素として考えうるとすれば「生きのびる」ことへの効果という物差しが共通的なものかなとおもうが、これも測りがたいという課題がのこるとおもう。
役に立った
レポート
なんちゃって、お遍路くん
5つ星のうち5.0 構築した信頼関係の中で役割を変化させる。
2016年8月29日に日本でレビュー済み
心理療法の歴史、それぞれの療法の創始者、療法の特徴をまとめてくれている良書だと思います。
気になっていた本ですが、どうしようか迷いながら…結局、書店で平積みになっているのを見かけたら
…ダメです。また衝動買いです。こうしてまとめてしまった本を読むと、わかった気になってしまうから
迷うので…ここが私の弱点。 それでも、比較的冷静に読めるのは、著者が心理療法に直接たずさわっ
ていないからです(研究者ではあります)。『「本当の自分」の現象学』の著者でもあって、私が初め
てこの著者に出会ったはこの本です。
結論から言ってしまうと…心理療法の三つの原理として挙げてくれるのは、このようなことです。
<<第1段階>>(2者関係での)信頼関係の構築
<<第2段階>>(2者関係での)相互幻想的自己理解
<<第3段階>>(3者関係での)「一般的他者の視点」による内省
これは、ラポールを作り上げて、その中で理解者としてのカウンセラーとなって無条件の肯定的配慮で
クライアントさんを受け容れて…最終段階では、第3者としての目を持って、クライアントさん、カウン
セラー自身、CL-CO関係を見ながら、クライアントさんに接しながらクライアントさんが生活する場所へ
送り出す…第2段階まででは不十分というのは、実感ともマッチします。
ちょっと気になるのは、この第3段階の役割を「グループワーク」に委ねている点です(絶対的な第3
者なので、もちろんまちがってはいませんが)。全体の流れからすると、ここだと思うのです。
「子どもは母親に愛され、認められるために、母親の要求や期待、命令に従うようになり、母親の欲望、
ルールを絶対視しがちだが、母親と二人だけルールは流動的で歪んだものになりやすい。そこで第三者と
の関係が必要になる… … … 最初の第三者として重要な役割を担うのは、大抵は父親である」
第1、2段階はカウンセラー(男女にかかわらず)の『母性』、第3段階はカウンセラー(これも、
男女にかかわらず)の『父性』として、構築した信頼関係の中で、カウンセラー自身が役割を変化させる、
とするのが自然だとは思うのですが、読み込みが足りないのかもしれません。
もっと少なく読む
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
レポート
Amazon Customer
5つ星のうち4.0 腕力はすごい
2018年6月1日に日本でレビュー済み
心理療法って本当に効きめあるの?やたら学派や技法があるけど優劣は計測され、検証できているの(身内でほめあい、身外を批判)?精神疾患は脳疾患なので治療といえるのは薬物、理学療法でないの?といった、疑問を予てより私は持っており、本書を読みました。
圧巻はⅡ「心が病むのはなぜか」と思いました。
先ず、Ⅰ「心はいかに治されてきたか」で心理療法の理論や技法を精神分析、実証科学的心理療法、実存主義的心理療法、構造主義的な心理療法という4つの分野に分け手際よく俯瞰・整理されてます。これだけでも読む価値があると思いました。
Ⅱで著者は心理療法を自然科学とは異なる意味の探求問題と位置づけ、フッサールを手掛かりに人間の存在様式の一定の共通性を本質観取します。その上で精神障害を「欲望」「当為」の葛藤により生じる自己価値の不安(身体不安、関係不安、承認不安)に直面した者の防衛機制による回避失敗を精神障害の本質と考えます。更に人間の一般的存在様式から4分野のモデル理論や各種技法の共通要因として「自己了解」「他社の承認」「自己ルールの修正」「一般他者の視点」を括りだし、横ぐしを刺しますが、その腕力はいろんな留保つきですが、お見事と思いました。「精神分析」のいう”無意識”が「他社承認を介した自己了解」のこととではないかという、指摘は痛快ですらあります。
ただ、著者が心理療法の共通ステップとして演繹する「1.信頼関係の構築」「2.相互幻想的自己了解」「3.一般的他者の視点」は、自由獲得における「感情の主体」「欲望の主体」「理性の主体」に符合し、正しいのでしょうが「そりゃ、会社に復帰にして、やりたい放題やられても逆戻りだし、セラピストとの信頼関係の中で自己の反社会的な欲望(殺人とか)を「本当の自分」に気づいたとしても、そんな無責任な療法が是認できるわけない。当たり前じゃん」と肩透かしを食らった感じでした(「(個人の)自由(欲望)」と「(社会・一般的的他者)承認」の葛藤の中で、逸脱行為は矯正が必要ということ)。
そして著者は「3.一般的他者の視点」からのチェックとしてグループワークと簡単に触れるにとどめてますが、この社会的な観点からの「自己ルールの修正」に導くプロセスこそ、患者の社会への過対応を含め、最も難しい問題と思いました。
もっと少なく読む
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
レポート
TAKERU
5つ星のうち4.0 こころが治ることの意を問う
2017年1月8日に日本でレビュー済み
「身体的苦痛をともなう事故・苦痛」、「友情・愛情の喪失、死別」、「周囲からの非難・軽蔑」という危機的
状況があり、その不安への防衛反応の失敗からこころが病む。治るためには、「自己了解」、「他者の承認」、
「自己ルールの修正」、「一般的他者の視点」が必要だろうと説く。
自己への気付き、他者から認められること、歪んでいた自己の思考・行動の修正は、身近な人々の価値観に囲
まれていては難しい。そこで、見知らぬ人々の観点から価値の一般性を考えるようになるための「一般的他者の
視点」が登場するのだ。
価値は多様化しているから、価値の一般性の追求はナンセンスということに対し、著者は、善悪の基準、道徳的
な価値には普遍性があると主張する。
だがどうであろうか、善悪はひとのこころ次第というところがあるし、道徳は社会、時代によって変転する。
メスはひとを救う道具ともなれば、ひとを傷つける凶器ともなりえる。それを扱うひとのこころ次第で、善にも
悪にもなる。こころは、固定したものではないし、この世も同様だ。何かしら普遍的なものを求めることの限界を
感じるのだが。
もっと少なく読む
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
レポート
————————–
山竹伸二という人物については
彼のHPをご参照。
http://yamatake.chu.jp/
多分、竹田青嗣との共著があるので
彼の影響が強いと思われる。
カルチャー講座などで思想の切れ味を
確認していったと思われる。
フロイト、現象学。
そういう枠組みは
竹田青嗣と共有しているように
思われる。
山竹、竹田ともに、
啓蒙的解説屋に収まる。
以下、山竹のプロフィール。
http://yamatake.chu.jp/11pro/1.html
著者プロフィール
山竹 伸二(やまたけ しんじ)
昭和40年(1965年)、広島県生まれ。
学術系出版社の編集者を経て、現在、心理学・哲学の分野で著述家・評論家として活動中。専門は現象学、実存論、精神分析など。十年以上前から、現代社会における心の病と、心理療法・カウンセリングの共通原理について、現象学的な視点から捉え直す作業を続けている。また最近では、看護や保育、介護などのケアの領域における原理的考察、子育て論などに関心を持っている。
1998年、哲学論文「自由と主体性を求めて」によって、第14回暁烏敏賞を受賞。2006年、処女作となる『「本当の自分」の現象学』(NHKブックス)を出版。2008年に竹田青嗣氏との共著『フロイト思想を読む』(NHKブックス)、2011年に『認められたい」の正体』(講談社現代新書)、『本当にわかる哲学』(日本実業出版)、2012年に『不安時代を生きる哲学』(朝日新聞出版)を出版(2015年に中国語版が翻訳出版)。2014年に『子育ての哲学』(ちくま新書)を出版。2016年に『ヒトのココロがわかるフロイトの話』(日本文芸社)を監修。2016年に『心理療法という謎』(河出ブックス)を出版。2018年に『こころの病に挑んだ知の巨人 - 森田正馬・土居健郎・河合隼雄・木村敏・中井久夫』(ちくま新書)を出版。2021年に『ひとはなぜ「認められたい」のか』(ちくま新書)を出版。2022年に『共感の正体』(河出書房)を出版。
分担執筆として、「心理療法に共通原理はあるのか」(『持続可能な社会をどう構想するか』(北大路書房))、「質的研究における現象学の可能性」(『人間科学にとってエヴィデンスとは何か』(新曜社))、「本質論から見た人間心理 - 心理学と現象学」(『現象学とは何か』(河出書房))。
また、『知識ゼロからの哲学入門』(幻冬舎)、『知識ゼロからのニーチェ入門』(幻冬舎)、『哲学がわかる本』(学研)、『哲学書で読む最強の哲学入門』、『高校生のための哲学・思想入門』などの入門書においても分担執筆している。
他に、雑誌『飢餓陣営37号』に「認められたい欲求からみた現代の若者のこころ」(大正大学における講演と精神科医・小林隆児氏との対談)、『飢餓陣営39号』に「『甘えとアタッチメント』書評」、『飢餓陣営40号』に「『発達障害と感覚・知覚の世界』書評」を掲載。『そだちの科学27』に「子育て環境の変化をどうみるか 子育ての現象学」、『そだちの科学28』に「子育てに困ったとき 学齢期」を掲載。また、雑誌『生活経済政策』(生活経済政策研究所)に「「自由の主体」と民主主義」を、『心と社会』(日本精神衛生会)に「承認不安の時代における精神分析」を寄稿。他に、『保育ナビ 2018年10月号』(フレーベル館)に、久保健太氏(関東学院大学講師)との対談「3つの主体と対話」が掲載されています。
同志社大学赤ちゃん学研究センター嘱託研究員。2022年度より桜美林大学非常勤講師として「哲学入門」「哲学対話」などの講義をしている。また、朝日カルチャーセンター横浜にて、哲学・心理学の講座を担当。同志社大学における教養講座「赤ちゃん学」のオムニバス講義のゲスト講師。複数の企業において哲学の講義をしている(スコラコンサルト、武田薬品工業など)。また、大学や小学校、企業など、各種団体の主催するシンポジウムなどで講演も随時行っている。
★足腰に問題のある方新メルマガいますぐご登録!!★
コメント