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【アグリッパのオカルト哲学の抄訳】
やはり、抄訳する方が登場しています。
https://luminareo.x0.com/gmc/u03.html
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簡単な概要は以下参照。
https://blog.goo.ne.jp/naitoukonan/e/04bd12df9192b3ac5c7aaa8ec1e17019
◎自然的魔術、天空的魔術、儀礼的魔術
ルネッサンス時代のネッテスハイムのアグリッパは魔術概観みたいなのを書いた。
『アグリッパの著作2 『オカルト哲学について』
私は他の本でこの奇妙な著作の内容をかなり明快な形で提示しようと努力したことがあるが、今またそういう努力をしなければならない。
最初の二章でアグリッパは大筋を示している。宇宙は三つの世界、つまり元素世界、天空世界、叡智世界に分かれている。
各世界はその上の世界からの影響を受け、それゆえに創造主の美徳は、叡智世界にいる天使を通り、天空世界の星へと下降し、そこから元素世界にある元素と元素から成立する万物へと下降する。
この見方に従ってアグリッパの書物は三巻に分かれている。
第一巻は自然的魔術、すなわち元素世界における魔術に関係する。この巻は、物体をその間にあるオカルト共感に従って、自然的魔術の作用を引き起こすためにはどう配列するかを教える。
第二巻は天空的魔術すなわち星の影響をどう引きつけ利用するかに関するものである。アグリッパはこの種の魔術を数学的魔術と呼ぶ。なぜならばその作用は数に依存するからである。
第三巻は儀式的魔術、または天使的霊の超天空的世界に向けられた魔術に関するものである。なおこの世界のかなたには、一なる形成者すなわち創造主自身が存在するのであるが。』
(魔術的ルネサンス エリザベス朝のオカルト哲学/フランセス イエイツ/晶文社P75-76から引用)
さて、現象を形成するエネルギーは、本山博のいうようにメンタル体レベルで強大であり、アストラル体レベルでは更に弱く、肉体レベルでは更に微弱となるのだが、自然的魔術とは、アストラル体以下のレベルのエネルギー操作のことであろう。
また天空的魔術とは、メンタル体以下のエネルギー操作のことをいうのだろうと思う。
さらに儀式的魔術とは、これは第六身体、不壊なる神々の戯れのことであり、人間の好みとか操作とかの及ぶところではないと思う。
魔術、魔術と連呼されるが、これら魔術の本来の訳語は、超能力とか仏教でいう神通とすべきなのだろう。
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以下は文献書誌的紹介。
https://bh001.sakura.ne.jp/agrippa.html
アグリッパ研究の基礎
Platform for Agrippa Studies
F. A. イェイツの著作群の翻訳などをとおして、もう本邦でもよく知られているネッテスハイムのアグリッパ (Agrippa von Nettesheim, 1486-1535)ですが、このサイト訪問者には彼への関心が高まっていると思います。ルネサンス人の典型であるアグリッパは、トリテミウスやパラケルスス、ジョン・ディーとのからみでの魔術論やキリスト教カバラだけでなく、学問論、女性論、エラスムスがらみの神学論などの幅広い分野で人文主義者の伝統にしたがって著述活動をくり広げました。ここでは、アグリッパを真面目に研究したいと考えている人々への一助となるべく、厳選した参考文献を集めます。
アグリッパと関係のある人物
* フィッチーノ、ピコ、トリテミウス、ロイヒリン、エラスムス、パラケルスス、ジョン・ディー等など。
アグリッパの主な著作
* 魔術論、『隠秘哲学』 De Occulta philosophia, Antwerp, 1530. 1533.
* 懐疑論、『学問の虚しさについて』 De incertitudine et vanitte scientiarum et artium. Antwerp, 1531.
* 女性論、『女性の高貴さと優越性について』 De nobilitate et praecellentia foeminei sexus. Antwerp, 1529.
0.邦語で読めるアグリッパ入門編 (ここは皆さんのほうが詳しいでしょう)
種村俊弘、『パラケルススの世界』(青土社、1975年)、121-135頁。
F. A. イェーツの邦訳本、各種。
C. ウェブスター、『パラケルススからニュートンまで』 (平凡社、1999年)。
クリアーノ、『ルネサンスのエロスと魔術』 (平凡社、1991年)。など
1.アグリッパのテクスト
その1.ラテン語原典
全集
— Opera (Lyon, 1600?), Hidelsheim, Olms, 1970.
随分前から全集の復刻版が出ています。
魔術論
— V. Perrone Compagni, Cornelius Agrippa: De occulta philosophia libri tres. Leiden, Brill, 1992.
不朽の名作 『オカルト哲学について』 (ラテン語)の決定版的な校訂版。その註解の緻密さには脱帽です。
その2.翻訳
魔術論
— La magie celeste. trad. par Jean Servier. Berg, Paris, 1981.
— La magie naturelle. trad. par Jean Servier. Berg, Paris, 1982.
— La magie ceremonielle. trad. Jean Servier. Berg, Paris, 1982.
上記3冊は、アグリッパの 『オカルト哲学について』 の学術的な仏語訳分冊です。これより前にも、20世紀前半にフランス語訳は出ていますが、これ以降、あまり使い物にならないのが実情です。
— Three Books of Occult Philosophy. trad. par James Freake (1651) ed. et notes par Donald Tyson. St. Paul (Minnessonta), Llewellyn, 1997.
こちらは、17世紀の英訳にアメリカの好事家が懇切丁寧な註をつけて出版されたもので、安価なので英語しか読めない人にはもってこいですが、悲しいかな学術的には2級品です。
懐疑論
— Of the Vanitie and Uncertaintie of Arts and Sciences. reprint, California, 1974.
17世紀の英訳のファクシミリ復刻版です。これがどうしても欲しい。ウォンテッド!
— Ueber die Fragwuerdigkeit, ja Nichtigkeit der Wissenschaften, Kuenste und Gewerbe. ed. Gerhard Guepner, Berlin, Akademie, 1993.
結構良い作りの本ですが、高価です。
女性論:以下の2つの校訂翻訳版を押さえておけば良いでしょう。
— Declamation on the Nobility and Preeminence of the Female Sex. London, 1996.
— De nobilitate et praecellentia foeminei sexus, edition critique par R. Antonioli et al., Geneve, 1990.
2.参考学術文献
・その人生と仕事
— Dictionary of Scientific Bibliography 1 (1970), 79-81.
— A.Prost, Corneille Agrippa: sa vie et ses oeuvres, 2 vols., Paris, 1881-1882.
基本中の基本の伝記です。古いですが、復刻版もあります。
— L.Thorndike, A History of MAgic and Experimental Science, New York, 1941. v.5, pp.127-138.
案外これをちゃんと使えない歴史家が多いのが問題です。
— C. G. Nauert, Agrippa and the Crisis of Renaissance Thought, Urbana, 1965.
これなくしてはの基本です。一番入りやすいかもしれません。
— V. Perrone Compagni, Cornelius Agrippa: De occulta philosophia libri tres, Leiden, Brill, 1992.
本書はラテン語の魔術論の校訂版ですが、重要なイントロダクションやアグリッパのソースを探る上で重要なインデックスがあります。
— M. Van Der Poel, Cornelius Agrippa, the Humanist Theologian and his Declamations, Leiden, Brill, 1997.
エラスムスとアグリッパの関係をついた画期的な新刊本。でも、魔術については、ノータッチです。
・魔術とカバラ、新プラトン主義
— D. P. Walker, Spiritual and Demonic Magic from Ficino to Campanella, London, 1958, 90-96.
次のイェーツと並んで重要な取り扱いです。
— F. A. Yates, Giordano Bruno and the Hermetic Tradition, London, 1964, 130-143.
精神史上におけるアグリッパの意味を換えてしまった記念碑。
— Francois Secret, Les kabbalistes chretiens de la Renaissance, 2. ed. Milano, Arche, 1985.
上の2冊に比べその重要性がしっかり認知されていない本書。アグリッパはそこら中に出てきます。
— P. Zambelli, “Magic and Radical Reformation in Agrippa of Nettesheim.” Journal of the Warburg and Courtauld Institutes 39 (1976), 69-103.
実は、この人が一番アグリッパについていろいろ書いているのですが、その大半はイタリア語やドイツ語です。ここでは、この英文のものだけ紹介しておきます。
— W.-D. Mueller-Jahncke, Astrologische-magische Theorie und Praxis in der Heilkunde der fruehen Neuzeit. Stuttgart, Steiner, 1985. 62-67.
この人の博士論文は、アグリッパの魔術についてのモノグラフィ(医学博士なので短いと思われます)ですが、僕も一度見てみたいという幻の一品です。それを元に、さらに研究を進めたのが本書で、ミューラー・ヤンケ氏のマスター・ピースとなっています。
— Idem, “The Attitude of Agrippa von Nettesheim (1486-1535) towards Alchemy,” Ambix 22 (1975), 134-150.
アグリッパと錬金術。
— Idem, “Agrippa von Nettesheim et la kabbale,” in A. Faivre et F. Tristan (eds.), Kabbalistes chretiens, Paris, 1979, 195-209.
アグリッパとカバラ。
— Pierre Behar, Les langues occultes de la Renaissance. Paris, Desjonqueres, 1996, 29-62.
本書は隠れた名著。ロイヒリンとアグリッパについての章です。
— H. Hirai, Le concept de semence dans les theories de la matiere a la Renaissance : de Marsile Ficin a Pierre Gassendi, Turnhout, Brepols, 2005.
僕もアグリッパについてフィッチーノの種子の理論の受容という点について論じています。
・懐疑論と学問の危機
— R. H. Popkin, The History of Scepticism from Erasmus to Spinoza. 2. ed. Berkley, 1979, 23-25.
邦訳版にもあるので手っ取り早く見れらますが、当時ポプキンはまだアグリッパの重要性に気づいていませんでした。
— B. C. Bowen, “Cornelius Agrippa’s De vanitate: Polemic or Paradox ?” Bibliotheque d’Humanisme et Renaissance 34 (1972), 249-265.
— M. H. Keefer, “Agrippa’s Dilemma: Hermetic Rebirth and the Ambivalences of De Vanitate and De Occulta Philosophia,” Renaissance Quarterly 41 (1988), 614-653.
アグリッパの懐疑論と魔術論が矛盾や妥協の産物でなかったことを証明する入魂の論文。これで賞を取ってます。
3.アグリッパ・ウェブ・サイト これは良い出来です。お薦め!
あれから10年
新しい国際論集のための計画がスタートしました!
2015. 3. 10 火
先週からのシルヴァンとの対話からアイデアが湧いてきました。彼は、もともとの計画どおりに『キミアの技について』に特化したフランス語の論集をつくり、それと並行して僕は、より広い視点でアグリッパについての新しい研究を集めた英語の国際論集をつくってはどうでしょうか?題して、New Studies on Agrippa of Nettesheim です。寄稿全部が英語なら、まったく助成金がなくても出版社は見つけられるでしょう。シルヴァンにメールを書いて、どう思うか聞いてみました。
シルヴァンも、この計画を気に入ったようです。よし、これで行きましょう!まずは、アグリッパについての英語の論集のために、基軸となる寄稿者を集めないといけません。僕とシルヴァンをはじめとして5~6人くらいのコアをつくり、あとは世界的に寄稿者を公募するつもりです。全体で8~10本ほど集まれば良いのではないでしょうか?> こういうときに役に立つのが、10年以上前につくったアグリッパ研究のプラットフォームです。
2015. 3. 6 金
昨日は、シルヴァンとすこし本づくりについて議論しました。彼は、古きよきフランスの教養文化の遺産を受けついだ人なので、ウェブやアマゾン、ひいては英語で書くことの意味などを理解しません。「なぜ本を出すのにお金が必要なのだ?」と考えるタイプです。彼の姿勢は理解しますし、尊敬します。フランスにはアマゾンで本を売らない出版社がまだあります。でも、せっかく書いたものを、誰も読まないようなところに出すのは残念です。だから僕は、アマゾンで本が買えないところから出版するつもりはありません。この日記は学術界だけでなく、出版界の人もたくさん見ているので、お聞きます。皆さんは、どう思いますか?
ダ=ヴィーン∀!!
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