神秘学序説とシュタイナー心理学本

【神秘学序説とシュタイナー心理学本】

神秘学、神秘思想からアポロ的明るさを
取り戻せるか、・・・・
これが、
高橋徹先生の神秘学序説の問題意識のようです。
ようです、というのは、未見につき、
こちらの推定です。
読まずに、中身を推理する。・・・・
大学で神秘学を研究するのは、
当時としては、周囲が許さないというか、
おそらく、学部としての許容性がなかった、と。
しかし、折口信夫を国学院から、
慶應に受け入れる度量があるのであれば、
書斎派的に、大学でも神秘学研究をできないこともないところ、
やはり、在野でのコミュニティ活動に向かわざるをえない
雰囲気が周囲にあったのでしょう、ね。
しかし、所詮、元書斎派ですから、
在野で、シュタイナー思想の普及活動をするにしても、
スイスの人智学協会との関連で、活動費未納につき、
高橋先生が主宰するグループは、本部からは非認知となった。
まぁ、日本人智学協会の内部でも、対立と分裂があったようで。
詳細は不明ですが、世代的な新旧の対立が深かったと
推定しておきましょう。
ところで、高橋先生の神秘学研究は、
資本主義社会と折り合いがつくのかというと、
どうも、本人発言からすると、
企業の利益追求活動に寛容ではない様子が伺われます。
資本主義は悪だ、という自己認識からは、
どうも、この先生の神秘学研究というのは、
宙に浮く感じがするのですが、どうなのでしょう・・・・。
この高橋先生と、もう一人のN先生にしても、
シュタイナーを翻訳していると、
シュタイナーに取り込まれるという感じがしますが、
翻訳紹介という仕事に専念されることと、
していることの評価とは別だ、ということになります。
まぁ、閉じてしまったシュタイナー思想の紹介に
なってはいないかと、多少の反発がこちらにはあります。
ああまで入り込むと、がちに取り込まれるのか、と。
ミイラ取りが、ミイラになってしまったという感じです、ね。
思想の奴隷になった、とでもいうのでしょうか。
さて、シュタイナーの心理学関連本は三冊しかないところ、
一応、C.ウィルソンの楽観主義回路構築の問題提起を受けて、
フロイト、ユングに対して、シュタイナーはどうみているのか、
これを確認しておこうと思います。
心理学という穴熊に閉じてしまうと、どうなるか。
いかなる限界が発生しているのか、
そういうことの確認です、ね。
ちなみに、ウィルソンの『至高体験』には、
さまざまな心理学諸派に対する評価がありますので、
交通整理には便利かと思いますが、
内容的には決してやさしくないので、
いきなり、というのは、跳ね返されるでしょう。

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