【鹿島『吉本隆明1968』 →埴谷『死霊』→魔導書ネクロノミコン】
鹿島『吉本隆明1968』における
吉本氏の転向論の取上げを受けて、
こちらは、
吉本氏の世界認識論に問題がありはしないか、
ということで、
往昔、彼に見切りをつけたことを想起し、
カント的自己分解をした
埴谷雄高の『死霊』の再検討をすることに。
あはっ、ぷふい、ちょっ、
この感嘆詞の使い方の印象もさることながら、
第二章の青年・首猛夫と老人・津田康造との
悪魔問答、悪の発生問答、自己意識問答あたりが、
圧巻だろう、と。
埴谷氏は、
唯物論の悪魔と唯心論の悪魔の所在には
勘付いたところ、ともに、相対化する方法として、
虚体概念を提出するも、
彼の観念遊戯癖がカント的自己分解により、
虚体概念が洗練されたのかは、不明でしょう、ね。
まぁ、小説の形として観念遊戯の痕跡を
残したのが、後代の者にとっては手がかりとなるでしょうか。
小説形式の観念遊戯に対して、
大学で一人よがりの概念構築をするのが、
今道友信氏であったり、廣松渉氏であったりしますので、
こういう人たちの業績は、本人逝去とともに、
一部の信奉者以外は、振向かれもしない。
こういう手合いは、概念遊戯の悪魔の所産でしょう、か。
あと、偽書の魔導書として、
ネクロノミコンがあるところ、
こちらの見立てでは、
小説家の憑依事例とみなしています。
意識世界の暗部とはいかなるものか、
それを恐怖体験、悪夢体験として提示しているのが、
ラブクラフトである、と。
意識病理、精神病理、心的病理の典型例でしょう、ね。
ダ=ヴィーン∀!!
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