【折口信夫の霊魂信仰=神道研究】
柳田国男が探索したのは、
霊魂と霊魂の現象体としての民俗継承、
折口信夫が探索したのは、
霊魂信仰と神道の神学構築、
で、
より意識的に神学構築しようとしたのは、
折口信夫のほうです、ね。
それで、お二人とも、
最後に着目したのは、
琉球・沖縄の神道の残滓でした。
ここにこそ、古代日本的影響の残滓がある、と。
沖縄の伊波普猶さんあたりは、
『おもろさうし』の文献解読から
沖縄民俗学の探索を開始しています。
ここに、古代的残滓がある、と。
で、霊魂の研究をする場合、
神・スピリットの祟り系の実体把握から入ります。
悪さをする神・スピリットをいかに祭上げているのか、と。
霊魂の鎮魂と玉振りの二作用のうち、
テーマ的には、鎮め、鎮魂が先行したようです。
しかるのちに、
玉振りという積極作用、
賞賛、感謝、帰服という祝詞的課題を探索していく、と。
米を祖神とした古代日本の霊魂信仰の
拡張の可能性はどこにあるのか。
そうした古代的霊魂信仰の現実的作用を
国文学と民俗継承の二方面から攻略しようとしたのが、
折口信夫であった。
柳田国男の場合は、民俗継承ネタを集められるだけ集める、
というのが、彼の課題だったのでしょう。
それにより、より大きな民族目的を明確化していく、と。
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