【論理主義と起源発生探索主義と】

シュタイナーが11才のときに、
カントの『純粋理性批判』を熱心に読んだ、
という経歴には、不明な点があります。
認識の限界問題にどうして彼は遭遇したのか。
小学生に相当する年齢で、そういう課題に遭遇するのが
不自然といえば不自然なのです、ね。
18才のときは、自然霊との対話のできる不思議な
薬草師と遭遇し、彼の手引きでその後、薔薇十字会の導師と
遭遇して、秘儀伝授を受け入れた。
そして、31才のときに、好きな作家はと訊かれて、
回答したのが、ニーチェとヘーゲル、の二人である、と。
彼の経歴を見ると、
カント的認識問題の限界を取り払うのに、
ゲーテの自然観察の方にシフトしたのですが、
その間に、『ファウスト』問題に、シュタイナーは
直面しているのですが、やはり、ゲーテが
薔薇十字会の会員であったことに気づいたのでしょう、ね。
まぁ、こちらは、禁断の書として、ゲーテの『ファウスト』を
みています。迂闊には近寄れない書である、と。
仮に、近寄るのであれば、相当な覚悟を必要とする、と。
この『ファウスト』世界に対して、受容的に向き合った人は、
総じて、命の何かを供犠している事例が多いので。
もっとも、それは、その人なりの向き合いのセンスの良否が
あるともいえますが・・・・・。
しかし、
シュタイナーの場合は、秘儀的なものを
嗅ぎ取ったワケです、ね。
そして、半ファウスト的に、疾駆したともいえます。
さて、ニーチェに触れると、
起源発生的なものを問題にするようになっていきます。
そういう影響をニーチェから受けることが多い。
日本では、折口信夫が、ニーチェを隠しもっていたとも
評されています。どうみても、起源発生ばかりを
問題にしているので。
起源発生については、文献資料はありませんから、
ファンタジー、比喩、想像、・・・・と
これらをフル動員していくのです。
そして、大胆な仮説を構築していく、と。
まぁ、なかには、言いたい放題、という人もいますが、
ほとんど、ジョークだっという場合もでてきます。
誰とはいいませんが。・・・・
まとめると、
カント、
薔薇十字、
ゲーテ、
ニーチェ、
ヘーゲル、
アリストテレス、
トマス・アクィナス、
と、
これらのうち、
論理主義的傾向と起源発生探索主義傾向との二つが、
シュタイナーの場合、論の展開・構成上、
多大な影響が見られるようです。

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