政治と経済は人を支配したがる人のお仕事(吉本隆明)

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【キラーコイルの秘密】
【政治と経済は人を支配したがる人のお仕事(吉本隆明)】


それにしても、
一介の文芸評論家の吉本隆明は
政治と経済は
人を支配したがる人のお仕事である、と。
これを聴いたとき
なんとまあ、
単純化して
裁断する人だと感じた。
法律を全部これは擬制であると
裁断する感覚の持ち主なので、
この人は、
法支配を超えて、国家を超えて
何をしたいのか
逆にその先をお尋ねしたくなる。
ちと、観念妄想が超越的に
ふくらみ過ぎてるんじゃないのか、と。
先鋭的カルト主義者は
狂信的な全体主義者でもあり、
戦前、皇国少年にさせられたことへの
怨恨感情に吉本は凝り固まっている、と。
それで、大江健三郎のように
戦後民主主義万歳と素直には言えなかった。
それで、大江文学を
吉本はケチョンバーにこき下ろす。
あれで文学のつもりなのか、と。
吉本が時代的に受けた背景として、
価値の無制限的解体を果敢に
ドン・キホーテよろしく敢行していったこと。
ことごとく偶像を破壊しようとした。
そのあたりに無思想の学生あたりが
拍手喝采を送った、と。
とくに、
東工大の思想音痴の連中あたりが
吉本隆明を偶像視した。
赤いヘルメットが東工大。
まぁ、無茶苦茶な論戦家なのだが、
既存価値の無制限的解体をめざす
のが特に目立った、ということ。
執念を燃やして戦争責任を追及するあたり
普通の人にはそういう怨恨は無縁であったが。
こちらが吉本について
おやっと思ったのは
『心的現象論序論』が上梓された
70年代初頭であった。
どうして、一介の文芸評論家風情が
心的異常分野に手を出すのか、と。
それは戦前皇国少年になったことへの
復讐感情に起因している。
自分の狂信的信仰体質について
どう取り扱うのか、そんな
葛藤を個人的に吉本は抱えていた。
だが、
のちにオウム真理教を
擁護するようになり、
狂信的信仰体質が自己暴露されていく。
さらに、
『消費のなかの芸』1996において
幸福の科学の鼻祖である大川隆法の精神構造に
ついて吉本は種明かしをしていく。
どうすれば、大川のような誇大妄想霊能者が
できあがるのか、と。
その異常性について、興味深い吉本の解説がある。
オウムと幸福の科学の
2人の狂信的宗教家に対して
かなりのシンパシーを吉本は
寄せている。
大衆の原像という架空の座標を
設定したツケが、後年の
反原発談義においても露呈する。
1000年先の原発無害化に
技術的楽観主義を吐露するにとどまる。
エネルギー革命上、
原発信仰が1000年もたないのは
目にみえていないのが吉本になる。
将来的には宇宙電磁波の
地上的利用というのが
エネルギー革命上の青写真である。

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