【仲正昌樹『の取扱説明書』(作品社2009)】
往昔、
大学知を通覧したいということで、
いろいろやっていたのが、
法律上がりの浅羽通明氏でした。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%85%E7%BE%BD%E9%80%9A%E6%98%8E
公務員試験指導上、作成したテキストが数種あるも、
受験スキルに特化していたので、
その背景、掘下げ不足が目立っていました。
とくに、政治科目の指導については、
自然法思想の流れと自然権思想の流れの二つあり、
解釈根拠にまで掘下げないと、
上滑りの思想解釈となり、
ふにゃふにゃ状態を結果します。
カント的な二律背反状態というのは、
この世において、ありふれたことで、
その背反状態を解消していくのは、
最終的には、政治力学で決せられます。
しかし、そのときの有力思想は、
時代が変われば、無力思想に転換することがありますので、
政治力学上、思想敗北したからといって、
落ち込むのは無用でしょう、ね。
さて、
反共系の原理研究会に所属し、
11年半後に離脱した人による
学的体系知の分野別整理本が、
上記の取扱説明書になります。
改革派とはいえ、
左の改革派と右の改革派があり、
この著者は、
左派的思考回路に対する徹底不信により、
左派の思考回路をおちょくるのが上手です。
とはいえ、
思想上の対決は、
文献解釈の優劣により決まることが多いところ、
字義解釈以前の立場の優劣により、
相手を論破していくのが、
仲正氏の論法の特徴といえるでしょう。
さて、
哲学、思想、政治学、政治思想、経済学、経済思想、法学、法哲学と、
解説する分野は多岐にわたり、
どうやって、論敵の立場を崩すのかに頭を使っていきます。
公平、客観というのは、
まず、期待しない。
偏る立場から見ると、
論敵の弱点がどうみえるのか、
これを手ほどきしてくれる、
という感じなのが、上記書の特徴です、ね。
ま、左派思考回路の脆弱性を突くのが、
著者の特徴ですから、
ここまで、執念深く論及する、というのは、
逆にいうと、左派に対するトラウマが相当にある、
ということになります。
また、論敵論破の手法は、
原理研究会に帰属していた間に
身に着けたようで、
逆にいうと、
その原理研で身に着けた手法が、
どこまで有効なのかを
読者は注意を払う必要がでてきます。
思想的には、
解放神学系の匂いがちらちらしますので、
改革系にも、左派と右派があり、
右派の中でも、解放神学系があるということ。
そうした意味では、
同じ穏健な解放神学系左派の佐藤優氏と、
(彼には終末論的期待感情が濃厚です)
この仲正昌樹は、どこかで、通じるものがでてきます。
(仲正氏の場合は、終末論的期待を超えて、
終末論的アナキズム要素が大と推定)
ともに、
既成の枠組みを壊したいという欲求が大であると、
こちらはみています。
あとは、その壊し方の手法として、
何が有効であり、どれだけ有効なのか、
ということになるでしょう。
ま、こういう人たちの思考の癖を
見極めますと、
思想の操作主義というものが了解できるようになります。
あとは、思想操作の魔術の構造が、
読者にみえるかになります。
そして、読者は、
その思想操作の魔術を使って、
既成の何の枠組みを壊して、
再構築していくかを問われていくことになります。
所詮、人文、社会科学系は、
概念操作と概念解釈の二つの能力を問われますので、
最終的には、複数の何かに依拠して、
そういう操作と解釈をしていることになります。
で、肝要なのは、
最後には、信念、信条、信仰のみが、
そういう操作と解釈を支えているのだということ。
表面上のスキルだけでは、
そういう操作と解釈の作業は長く続かない。
だから、
操作と解釈に長けている人に向けての質問は、
そういうことをして、何をしたいのかの「目的」を
ずばりお尋ねしてみることです。
こういう質問は、
金儲けに邁進される方に向けての質問と同じで、
要は、目的が何なのか、という突っ込みをしてみること。
つまり、
学問、金儲けは、目的概念なのか、方法概念なのか、と。
逆にいいますと、
学問をして何をしたいのか、
さらには、
金儲けをして何をしたいのか、と。
とはいえ、
たいていの人は、
学問、金儲けが自己目的となり、
手段とみなしていない人が多い。
それ自体が目的という人は、
上位概念、メタ概念の設定がありませんので、
あとは、自己目的に専念するだけになります。
ダ=ヴィーン∀!!
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