【谷川健一・青銅の神の足跡】

【谷川健一・青銅の神の足跡】


銅鐸の謎とは、
銅鐸の使い方の謎のことである。
祭具、
呪具、
楽器、
と、諸説あり、
いろんな使い方が可能なので、
いずれも、正解であろう。
ただし、当時、いかに使用されていたのかを
復元した人はいない。
思うに、鉄の武具が普及しだしてから、
銅鐸は衰退していったと、解している。
実践の武器が鉄器であり、
その威力の前に、
呪具としての銅鐸は効力を次第に失った、と。
というのは、銅鐸では肉弾戦はできないので。
念力戦争、呪力戦争の道具として、
あくまでも、銅鐸が使われていたというのが、
こちらの仮説です、ね。
手っ取り早く、敵を倒すには、
剣、槍、弓矢、こちらのほうが威力が
目に見えて発揮されます。
さて、柳田説への批判でもある谷川健一の
『青銅の神の足跡』は、銅鐸の理会を
どこまで深めてくれるだろうか・・・・。
目次
序説 耳と目の結婚
■戦後『記紀』批判論の有効性と新たな方法論の確立
■古代への架橋としての古地名・伝承・氏族・神社の組合せ
■稲作文化偏重が生む日本民俗学の致命的暗部
■金属神から農耕神へ-二つの文化の逆説構造
■耳族の出自と鍛治技術とのかかわり
■北方系征服族に先行する稲と金属の民
第一部 青銅の神々
第一章 銅を吹く人
■発端-風は金を生ずる
■「夜の虹」から展開する銅鐸をめぐるドラマ
■因幡の銅鐸と銅山-伊福部とはどのような氏族が
■『和名抄』が記す六ヵ所の伊福卿と銅鐸出土の関連
■イフク・イフキ・イオキの地名も銅とかかわる
■銅を鋳造する人びと-歴史を貫く伊福部の職務
■天日槍の本拠地・但馬の伊福部神社
■伊福部氏は雷神として祀られる
■蛇神=雷神の暗示-多氏とたずさわる小人集団の典型「赤銅のヤソタケル」
第二章 目ひとつの神の衰落
■柳田国男『一目小僧その他』の大胆な仮説
■柳田以後の諸説の検討
■たたら師の職業病の投景-天目一箇神の奇怪な姿
■柳田の片目伝説蒐が見落とす金属遺跡との関連
■天目一箇神が統合する片目と金属のイメージ
■天目一箇神の足跡-伊勢・近江・播磨
■加古川上流に明白な痕跡を残す鍛冶一族
■西幡地方-天目一箇神の末裔にもう一つの根拠地
■九州・四国にも鎮座する金属の神
■文明の先行者・金属技術集団の大和への進出
第三章 最後のヤマトタケル
第四章 天日槍の渡来
第二部 古代社会の原像をもとめて
第一章 垂仁帝の皇子たち
第二章 青の一族
第三章 海人族の系譜
第四章 江南とのつながりと銅鐸
終 章 遙かな過去への遡行
埋もれた銅鐸は何を物語るのか。
闇につつまれた『記紀』成立以前の古代社会像、古代人像を
掘り起こす壮大な労作。

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