【東洋経済特集・実践的「哲学」入門】
指示代名詞の「この」が何を指すのか、
これが重要だ、とか
一回しか言わないことが重要である、とか
元ロシア外交分析官・佐藤優のコラムで、
出口の現代文入門をすすめる記事があるも、
この出口を持ち上げることには賛成しない。
また、マルクスが、宇野弘蔵が、広松渉が、
と、こういう連中を持ち上げることにも賛成しない。
公務員をくびになった佐藤の肩書きは作家である。
とはいえ、小説を書くワケでもないので、
やはり、評論活動が彼にふさわしい。
プロテスタントとマルクスと国家。
彼は、カトリックに反抗し、
私的所有を憎悪し、
資本主義体制を憎悪し、
国家の革命を希求する。
まぁ、こういう革命志向派を公務員として
採用したのは、裏ルート経由と見る他ないだろう。
神学部出身者を外務省がノンキャリアとして必要とした
理由は何なのか。
憎悪に依拠した解放神学派の徒が、
いかに雄たけびを上げたとしても、
古典的マルクス神学徒の声の再生であろう。
さて、行く先が不明の時代は、
難解哲学ブームがビジネス界で蘇生する。
所詮、哲学とは理性知による思考枠組みの組換ゲームであり、
政治が経済に従属しているかにみえるのが
いまの時代の特徴である。
政治と経済を分離する、というのが、
これまでの日本的手法であった。
もっとも、これは誰が考えついたのかは、不明である。
日本は政治戦争の敗北を経済戦争で蘇生させた、
ともいえる。
そして、経済戦争の実質は電子戦争に移行した。
この電子戦争が経済の覇権を握る。
そういっても過言ではなかろう。
だから、いまどき、
ビジネス界で哲学ブームといっても、
それは、単に、話題がないから、
そのピンチヒッターというまでのことである。
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