【勅使河原大鳳『幽真界研究』】
相曾誠治を検討していて、
よくわからないのは、
彼が依拠している宮地神仙道の概要である。
天狗界系のそれとどうちがうのかが判然としない。
また、宮地の『異境備忘録』を散見すると、
平田篤胤の『仙境異聞』と、類似した用語がでてくる。
相曾は、スサノヲ系の神道を天狗界系神道と断定するも、
みずからの依拠する神仙道にも登場する天狗と、スサノヲ系に
登場する天狗と、どこが、どう違うのか、いまいち判然しない。
アマテラス系とスサノヲ系の違いは、
現界系と冥界系とに二分しておくのが
無難じゃなかいとも解される。
以下は、昨年、広島の神仙系の方から
教示された書である。
宮地神仙道がいまいち判然しないと解する人には
参考になるだろう・・・・。
もっとも、勅使河原大鳳という方が、
いかなる人なのかは、こちらは不知である。
『幽真界研究』
(ゆうしんかいけんきゅう)
ー 異境備忘録釈義 ー
副題・異境備忘録釈義
勅使河原大鳳
●新組/四六判/上製/432頁
●定価5,000円(税込)/送料360円
【本書の概要】
明治時代、土佐の神人・宮地水位仙が著わした『異境備忘録』(山雅房刊)は、正に題名が示すとおり、あまり整理されてない備忘録(メモ)だった。
これは水位仙が肉体のまま神界や幽界に何度も出入りしたときに見聞した、異境の実消息を書きとめた非常に貴重な資料である。が、残念ながら断片的な記述が多いせいか、『異境備忘録』の全容はなかなかつかみきれなかった。
本書著者・勅使河原大鳳は、水位仙の霊統とは異なる流れに属しているが、今回、山雅房の強い要望で、『異境備忘録』の解説書というべき本書『幽真界研究』を執筆した。
本書は画期的な神仙道入門書である。行き届いたフリガナや親切な解説、図説、整理された文章が、読者をぐんぐん引っ張っていく。
なお、本体の『異境備忘録』を持っていなくとも差し支えない。本書とは独立した構成になっているからである。
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