【マイケル・サンデルの正義について】

【マイケル・サンデルの正義について】


これまでのロールなどの正義論は、
ベンサム流の最大多数の幸福を求めるのに、
少数派の幸福を無視ないし切り捨てるものでした。
つまり、民主主義という多数派の論理的正当性の
延長上にある正義論が展開されていました。
しかし、ここにきて、
マイケル・サンデルの正義論の問題提起とは、
最大多数派には根拠がない、という趣旨になっています。
逆にいうと、少数のために、多数が犠牲になることもあるよ、
という含みを提出しています。
そして、解には正解がないとすると、
これは、政治力学により解が決定されるという宣言にもなります。
つまり、モノゴトは何により決まるのか、
これまでは、最大多数派の意見が尊重されることを
擬制にしていたところ、
それを相対化して、そうでもないよ、という筋道を
示したということは、独裁制もありだよ、というサインを
出しているわけです、ね。
逆にいうと、アメリカの一国論理も正当である、
という含みの提示でもあるワケです。
5人殺しと1人殺しのどっちを選択するかを
サンデル教授は問題提起してきます。
つまり、どちらも正解であるし、どちらも正解でない、
という問題を彼は出してくるワケです、ね。
だから、逆にいうと、
どうして、こういう問題提起をするのか、と
そのように逆質問していくことが必要になります。

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