ヘーゲル意志論と倫理解除問題
個人的合理性と組織の全体合理性とは
往々にして、逆立の関係にあるのではないかと
問題提起してくるのは、吉本隆明です。
経済問題では、
個人の節約が進むと、全体の景気はよくならない、
という形で提出されることがあります。
個人的合理性は、全体的不合理性である、と。
これは、経済行動に関する場合です。
で、先の個人意識と共同意識が
往々にして、逆立するという場合、
どちが優先されるのかというと、
会社の場合は、会社都合が優先されるということに
現れてきます。
で、吉本が提出してくる問題は、
個人意識、
性を巡る対の意識、
共同意識、
これは、三つの層にわけて、
それぞれ違うと認識すると、
矛盾、葛藤、相克は解消されるのではないか
という形で提出してくるのですが、
その場合に、参考にしたというのが、
ヘーゲルの意志論ですが、
ヘーゲルの場合は、倫理的な問題を外すと使える、と
吉本は解すのです、ね。
まぁ、普通の人は、
ヘーゲルなーんていう思想家は無視してかまわない。
そんなものにいちいちかかわるわけにいかない。
しかし、公正取引委員会とか、
そういう公的な職業に従事する人の中に、
ヘーゲルの法の哲学に興味を持つ人が
やはり、出てくるんです、ね。
個人問題、
家族問題、
社会問題、
国家問題、
これらがそれぞれどうからむのか、
公的な立場に立つ人は、
そういう問題に無関心にはなれないことが
あるみたいです。
どんなものでも、
漠然と取り組んでいる限り、
問題の所在とか、
応用の仕方はみえてこない。
もっとも、ヘーゲルの法の哲学は、
意志論から始まるのだけど、
それが、一体、どうして、国家にまでかかわるのか、
普通の人にはみえてこない。
また、どうして、意志が重要なのか、
そういう問いさえも提出しない。
また、ヘーゲルの意志論から
倫理問題を外すとは、
どういうことなのか、
ちと、理解が及ばないです、ね。
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